価値があると多くの人が共通で認識するから価値がある。

なぜかは知らないが、カラスは光り物を集める習性がある。

よく、ガラスを巣に持ち帰るのだとか。

「本物の宝石を集めるんだったら価値あるのにね。」

夫がそう言ったけれど、偽物の宝石と、本物の宝石って、人間にも判断は難しいのではないか。

本物の宝石が取れると人気のクレーンゲームの宝石は「本物」だけど、800円以下のものだそうだ。法律で、800円以上のものはクレーンゲームに入れられないからとガッチリなんとかというテレビ番組で言ってたから本当だと思う。

ダイアモンドが高価とされているのは、ダイアモンドに価値があるとみんなが信じているからで、人工的にも作れるし、中古品はガクッと値崩れするのは誰もが知るところだと思う。それでも給料の3ヶ月分でダイアモンドを買う人はいるのだから、人はカラスを笑えない。

紙幣はただの紙だが、たくさんの人たちが価値があると信じているから価値がある。紙幣というものは、ハイパーインフレを起こして本当に紙屑になることもある「お金」という概念は人類の発明だ。

だからといって、お金は悪魔の発明だと言ってお金を巻き上げるカルトも多いので、気を付けよう。たくさんの人が価値があると信じて、他の価値があると信じられるものと交換ができるうちは確かに価値があるのだから。

「神」という概念も人類の発明だ。本気で信じる人が多ければ多いほど価値が出る。「歴史」ってやつも、みんなが「事実」だと認識するから価値がある。

人は遺伝子レベルで平等じゃないけど、多くの人が「平等」であるべきだと信じているから、「不平等」に不満が出る。

目に見えたものさえ、実際に聞こえたものさえ、誰かと共有できなければ、それは「現実」ではない。まあ、これは私が統合失調症で、わたしにしか見えない、わたしにしか聞こえないものがあった期間があったから言うのだけどね。

私の一番古い記憶は、幼少期の白黒の映像がプラネタリムのようにグルグルと回る黒い宇宙空間の中を落ちていくものだ。そんなバカな、そんなことありえないと思う理性を働かせ、その記憶をなかったことにすれば、3歳の時におじいちゃんの家にいく途中の車の中で癇癪を起こして、家族がおじいちゃんの家に行く中、ひとりで車で待っていると、父がおじいちゃんからだよってお菓子を持ってきてくれた。あ、おじいちゃんに悪かったな、て言う罪悪感の記憶だ。

見えているものは、脳で処理されている映像で、覚えている曖昧な記憶も脳が作り出しているもので。

中古になれば、時間が経てば、流行が過ぎれば、価値がなくなるものには本当は価値がないとするなら、この世に本当に価値があるものなどないんだろうさ。

私のかつての特技は、シール貼りのような誰にでもできることを延々といつまでもできることだった。手を動かしながら、違うことを空想することが、コツである。そんな仕事は続けても価値がないと思う人が多いようで、1日でやめていく人が多かった。だからこそ、その工場では重宝されたのだけど。IT業界の末端で働く今よりも、ライン工の方が給料が良かったのだが、派遣だったので、母は早くそんな仕事はやめろとうるさかったな。

ホリエモンが保育士を誰にでもできる仕事だから給料が安いのは当たり前だと馬鹿にしたのだけど、特定の誰かにしかできない仕事ってどれだけこの世にあるのだろうか。誰にでもできると、生産性がないからと、不当に安く設定された仕事は人手不足に喘いでいる。じゃあそんな仕事はなくなってしまえ、と言えれば簡単だけど、保育士も介護士もいないと困る。昔は女性に押し付けることができたものは女性が社会進出したから、押し付けることはできなくなった。

低賃金で貧乏で有名な沖縄も、社長クラスになると年収1000万プレイヤーが多いんだそうだ。逆に言えば、沖縄は低賃金が普通だから、人件費を低く抑えられて、社長が儲かるのだ。私は実は上場企業に勤めているのだが、沖縄支社だから給与が安いのだ。沖縄は人件費が安いから東京からガンガン仕事が来るのだ。それを搾取と呼ぶには容易いけれど、東京並みに賃金を払えと国が定めたとしたら、沖縄には仕事が来なくなるだろう。理想だけで物事は回らない。

人手不足の解消をしたいなら、給料を上げるか、この仕事にはお金以上の価値があるという価値観の創造をするしかないと思うけど、日本は安易に海外の労働力を入れようとして失敗している。同一労働同一賃金の施行で、移民を不当に安く使うこともできなくなったわけだし。理論上は。

私は日本が好きだけど、日本にも邪悪な面はある。

不法入国の外国人達を時給300円くらいで働かせている工場にいたから知っている。12時間労働で時給300円。奴隷のようじゃないか。彼らはある日いなくなった。一斉に捕まって強制送還されたのだ。外国人達に作らせて、メイドインジャパンと言ってものを売る。そんなメイドインジャパンになんの価値があるのだろうな。あの頃は中国もまだ貧乏だった。数年で日本は抜かれた。因果応報なのかな。

お金のために苦しまないで、生きていけたら。

そう思いながら、明日も働く。お金のために。

そう。ガラスのかけらを集め続けるカラスのように。

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